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旅行ではないけど遠めのお出かけなのでこちらに。姑息な釣りテクニックを教えてやんよ


昔、釣りをしてたんです

漁港でのサビキ釣り、管理釣り堀でルアー、たこ釣り漁船にも乗った。そして三浦市にある海上釣堀「みうら海王」にもよく通った。

みうら海王は2013年春に開業して、初期に毎週のように行っていた。もう5年前のことだ。海釣の知識って漁港か乗合船で釣る程度しかなかったので、海にも釣り堀があるのを知って随分と驚いた記憶がある。釣れる魚も派手で第一印象は「ちょっと下品な遊び(という表現は穏当ではないかもしれないが)」だった

あ、あと「海王」というネーミングも、ど下品で宜しい。関東人なら遠慮して「なんとかフィッシング」みたいな名前にしちゃうよねw


ちなみに海上釣堀は海に生簀が設置されていて、生簀の中に養殖された真鯛・シマアジ・ヒラメ・イサキ・ハマチ・ヒラマサ・カンパチなどが泳いでいます。そこで主にウキ釣りをします。釣りホーダイ
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何かのメディアで知ったんだろう。三浦市という埼玉から行けなくもない場所に海上釣堀が出来たのを知った。

僕は初めてのことに対してとても消極的な人間なんだけど興味が勝って予約した。道具も知識も全く無かった。でも行けばなんとかなるだろうと。釣り堀だから餌をぽちゃーんと投げて浮きを眺めてるだけじゃん、余裕余裕。心の何処かで観光地にあるニジマス釣りのイメージがダブっていた。餌を入れた瞬間ニジマスが群れをなして餌を奪い合い、2秒後には竿がしなっているあのイメージ(そういう釣り堀はゲスい。量り売りの単価が凄く高い)
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釣果はどうだったか?

とむこ3匹、とmこ0匹
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5時間、沈まないウキをずっと眺めているのはとても苦痛だった。よそ見をしている時に「釣れてるよっ!」って言われて竿を上げた。それぐらいグダグダしていた

では、何故苦痛だった海王に通うようになったのかと言うと、良きもてなしがあったから。

釣果がゼロの人は真鯛2匹が土産にもらえるが、初めて行った時に一度は釣らせてあげようと、使われていない生簀で個人指導をさせてもらえた。餌も団子じゃなくてきびなごを付けてもらったんだよね。使われていない生簀の反応はとても良く、すぐに浮きが沈み竿が折れるようにしなる。で青物のヒラマサを釣らせてもらった。釣ったのはとmこさんなんだけどとても楽しい時間を過ごさせてもらった。

その時の動画はお宝だ。棒のような硬い竿がこんなに曲がるのかという驚きと、それを知らない素人の戸惑いながらのへっぴり腰な釣りが収められている。釣れた瞬間なんてまるで竿にしがみついてるみたいだ。釣ってるとmこさんよりも撮影してるとむこの方が興奮してる。

川魚の繊細な釣りとは全く違う、力任せな海上釣堀の魅力をもっと知りたい、と思った瞬間だった。


それに「後藤さん」の人柄に魅了されたのも海王に通う理由になった。彼は海王の店長ね。恐らく後藤さんがいなければみうら海王だけではなく、他の釣り堀へも遠征していたと思う。
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闊達な性格とだいたい笑顔な明るさで関西弁をしゃべる男、後藤さん。お客さんに釣らせるため満遍なく声がけし、釣れなければ教え釣れていれば褒める。その全力な接客姿勢には本当に頭が下がる。小休止を除けばいつも動き回っている。我々のように他人の印象に残らないようひっそり生きている人もちゃんと覚えていて、相手してくれるのだ。惚れないわけがない
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久しぶりに会ったら「白くなっちゃって」と言われた。ロシアの血が入っているから黒くならないんだよ。どんな話にもうまい返しが帰ってきますが「離婚調停が大変でさ」って気軽に話したら「冗談か分からなくて上手く返せない」と悲しそうな顔をさせてしまいました。ごめんねw


いつのまにかメールアドレスも交換し、「明日行きますね」のメールで予約できてしまう間柄。仲良しと言っても語弊はなかろう
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(シャチョーという強烈なキャラもいる。社長表記よりシャチョー表記のほうがしっくりする。シャチョーもカラッとしているけれど、やや怖い(銃を持っていると特にw)。主に猛者担当。言質を見極める必要がある。yesはnoでもあり、怒っている時に笑っているかもしれない)


そういえば俳優の生瀬さんを海王で見かけた事もあった。誰も生瀬さんに気づかず唯一とmこさんだけ「あの人生瀬さんだよ」って僕に言うから、プライベートなんだろうなと気遣って後藤さんに「生瀬さんみたいですよ」ってこそっと教えたらシャチョーと後藤さんで撮影会を始めてた。う~ん、関西人たち!!でも生瀬さんも関西人だからまぁ良いや

そんな楽しい釣り堀です。
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釣りの話をしていないね


じゃあ、海王の良いところ

船に乗れるよ
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生簀がちょっとだけ沖にあるからイベント感があるよ
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釣れれば凄く楽しいよ

三浦市で観光もできるよ(我々は一度も観光していない。早く帰って捌かなくちゃだから)

もちろん釣れた魚はごちそうさ
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シマアジの塩焼き。お店で買って(3000円)こんな雑な食べ方は勿体なくて出来ない。身厚だからグリルだと火に近すぎて焦げてしまう




最後に行ったのが2014年11月。1年半通い、パタッと行かなくなって3年半の月日が経った。
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なぜ行かなくなったのか。理由らしきものはある

海上釣堀を理解出来たから
興味が原動力なので、ある程度理解できたらスパッと止めてしまいます。ぼちぼちと続けず、他に興味が移ってしまう。これはとmこさんにさんざん指摘されていて「急に行かなくなると相手に色々想像させてしまうから良くない」と言われると、確かにそうかもね。熱しやすく冷めやすいダメ人間なのだ

同じ魚を食べ続けるのが辛い
どんなに美味しい魚でもやはり飽きます。食べ物を粗末にすることは悪だと躾けられているので、捨てるわけにもいかず魚用フリーザーを買い足し、そのフリーザーも埋まった時に「もうダメだ」となりました。釣れなかった人にあげてる常連さんを見ますが知らない人に話しかけるのも正直面倒で、同じことをしてみたけれどやや気分の悪い思いをしたこともあって持ち帰ることにしました。知り合いに配るのだってありがた迷惑かもしれないし、ねぇ。

体力が持たない
4時に出発して帰宅は16時。それから魚をさばいて道具を片付けて一息つくのは3時間後の19時。その頃にはフラフラ。当然翌日は疲れが取れない+普段使わない部分の筋肉を使うから筋肉痛になる。普段筋トレしていても筋肉痛から逃れることはできない。筏の上で揺れている体を制御するのは体を使う。土日休みの人は良いよね。僕は週1休みなのでどうしても疲れが残る

お金が持たない
海上釣堀を普段の趣味にするにはお金持ちでないと厳しい。遊漁料の他にも餌や仕掛けの消耗品代もそれなりに掛かる(交通費も含めて2人で40000円)。通帳の数字がみるみる小さくなっていくんです(毎週行くのがそもそも間違っているんだ)

小さな不満ががが
喫煙率が高いです。そして煙草を吸う人は釣れない時に他の人よりイライラが顕著に現れるような気がします。釣りをしている海に吸い殻を投げ捨てながら乱暴に上投げしてる人が同じ生簀だと一緒に居たくないという気持ちが強くなりました(当時)。トラウトでも喫煙率は高いので釣りをする人は煙草を吸う傾向にあるのでしょうか?魚が釣れた時の興奮とギャンブルで当たった時の興奮はアドレナリンの出方が似ているのか、釣り場では粗野な人達を見かけます(youtubeの釣り動画で浮きが沈んだ瞬間にうるさい音楽が流れるのがパチンコの演出に似ているよね)

ここまでが前置き

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ここから本編、2018年5月

使わなくなった竿や道具をなんとなくいじってみると仕掛けの構成や糸の結び方まで全く思い出せないことに気付き愕然とした。当時あれだけ熱を上げたのに。このまま過去のものとして止めてしまうか、もう一度勉強し直すかの選択に迫られる。止めるには揃えた道具が可哀想に感じたんだ。とりあえず、行く気ゼロで準備を始める。用意をして行かなくても道具のメンテナンスにはなる。とmこさんは全く行く気がない、というか関わる気が無い。

2~3日かけて準備が整うと行っても良いかなという気持ちが芽生える。「行けば楽しい」これは最初から分かっているので、ネガティブな気持ちをこまめに潰していくw。あと、ダイエットの停滞期だったので海王に行って痩せようという思惑もあった。釣りの間は食事を摂ることがあまりないし、帰りの運転中も(首都高が怖くて)食べないので無理なく?絶食ができる。(釣りも体力を使うよ)


前日、今まで無関心だったとmこさんに変化が現れる
「行かないんでしょ?」
「・・・」
はっきりしない

要はこうだ。行きたくはないが後で楽しかった出来事を話されると悔しいので付いて行く。行けば楽しいのは知っているし「楽しくなかった」と一言で終わることは無いから悔しい思いをしたくない。

人の行動原理は様々だ。「ダイエット」と「ねたみ」を理由に海王へ行く。釣り要素がない。

「後藤さんにメールしといてよ」
「もう覚えてないかもしれないし、メールアドレス消されてるかもしれない…」
「あの人が忘れることなんて絶対無いし」

もちろん覚えてくれていたのだが、受付の人(受付と帰港時しか会わない)まで「久しぶりですね!」って覚えていてくれたのは驚いた。ブラックリストに載ってるのではないかと勘ぐったりしたが、それでもとても嬉しかったな。受付にフル装備の猛者が群がる中、オーラ0の我々が「こんな奴が常連なの?」的な視線がやや痛かった
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3年半の間に色んなものが変わっていた。我々が通っていた時は平日の水曜で平均15人、生簀を2~3個使う程度の規模だった。今回は70人、8つの生簀が全て埋まり従業員の数もずいぶんと増えた。知ってはいるが馴染みのない場所になっていた。

開業初期の集合場所風景。うろついている野良猫の数より少ない参加人数
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この頃ののんびり感が懐かしい
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集合地点の港に到着すると、経験したことのない数の人が既に準備を終え船が来るのを待っている。女性客も多い。猛者も初心者も満遍なく居る。知名度が低かった頃のほのぼのとした空気はなくなり熱気にあふれている。完全なアウェイ感。竿の準備も終わらぬうちに船は港に着き第一便に乗る(70人もいると船は2往復になる)

2018年5月の平日の活況。もう常連顔なんて出来ない人混み
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今回は釣りが目的ではない、リハビリみたいなもんだ。道具と知識を腐らせないこと・後藤さんに会うこと。高級魚のシマアジを二人で合計4匹釣れれば合格としよう。5匹以上は帰ってからが辛くなる


生簀のメンバー構成はとても重要。僕らは釣れない時も「魚が自分の釣座にいない(生簀の中に魚がいないという発言は結構真面目に怒られますからね)」とヘラヘラしながら楽しく過ごしたい。そういう意味では若い初心者の人達はのんびりしていて楽しい。青物を釣ってコールがなくても雰囲気で竿を早めに撤収できるからトラブルに巻き込まれないし。

だから釣座の抽選時には猛者たちを避けてのんびりグループに混ざります
※生簀ごとに釣り座の抽選をするので入りたい生簀で手を上げて番号の書いてあるピンポン玉を取ります。手を上げた人を見回して後出しジャンケンのように手を上げるのがポイントだよ
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海上釣堀を理解はしたけど、極めてはいません。だからたくさん釣るテクニックは教えてあげられない。でも釣れない人を観察しているといくつか共通点があるので参考になれば

○釣り方を知らない
嘘みたいですが結構います。我々も最初はそうだった。合わせが出来ないんです。最低限リールの扱いと釣り方を予習しましょう
○ボーッとしちゃう
これも釣り方を知らないのと同じで海上釣堀ってやることが沢山ある。餌の交換・棚の変更・ハリスの変更・誘いを勉強しましょう
釣り堀だから魚は馬鹿かというとそんなことはない。ここで生き抜いた魚たちは糸を見ている。上から太い糸が見える餌を見て彼らは食べるかな?
○何度も生簀を釣っている
うむ、大物だ。竿が悪いって言ってる人がいました
○おしゃべりに夢中
これは楽しければ良いんじゃないかな。でも浮きが沈んでるよ

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ビギナーズラックでたくさん釣れることはあるけど、やはり知識は必要。でも予習をしていても実際に何をしたら分からないのは仕方ない。間を置かず数回行けばコツはつかめるけど大変だよね。

これら全てを解決する釣りテクニックは「スタッフを呼ぶ」

これ重要


「すいませ~ん!」って遠くから呼んだって良いんです。喜んで来てくれるし、怒られることはないはず。仕掛けの仕組みと投げ方とあわせ方を理解して、それでも釣れなければ彼らは竿を調節して実演してくれるはずです。実際は呼ばなくても助け舟を出してくれるけど、聞きたいこと知りたいことはどんどん教えてもらったほうが釣れますよ(この情報であなたの釣果は2匹増えました。やったね)


今回も普通の仕掛けでは釣れなくなって(こういう時間帯は必ずある)遊び用の竿の準備をしてたら後藤さんが遠くから「とむこさ~ん!トラブルー?」と声を掛けてくれる。バレないようコソコソ用意してたのに良く見てるねぇ。で、予備の竿を見せつつ「角っこにイシダイが見えてるんだよ…」と話したら「めっちゃおるやん!」と餌の種類・釣り方を教えてくれて(その場でお金を払うと餌を取ってきてくれるサービス精神!)、群れていた天然イシダイを根こそぎ頂いちゃいました。イシダイは高級魚で1匹1.3キロはあった。僕の見立てでは1匹5000円で合計30,000円。大漁だ。そして、その釣果を心から喜んでくれる。こういう対応は僕らだけという訳じゃない

だから
「海王で(5)・釣りたい時は(7)・後藤呼ぶ(5)」
を覚えておいて
(この情報であなたの釣果は更に2匹増えました。やったね)。クレーマーみたいな要求はドナドナされちゃうから常識の範囲でね。

3年半ぶりの海王のボウズは免れた(最初の30分でスレたシマアジ5匹を釣り終えた)。スカリを覗き込んだ後藤さんが真顔で「ほんまやるやん」と言ってくれたのでリハビリは完了。そして13匹の魚を捌くことになった(泣)
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海上釣堀の損益分岐点はどこか?これも興味の対象で色々と考えたけど教えない。食べ放題の元を取る方法と同じで本質と関係ない。楽しければ1匹だって来た価値がある。海上釣堀は漁ではなく体験であり、非日常の経験を楽しむ場所。もちろんたくさん釣れた方がhappyだけどね、コストパフォーマンスを求めるなら魚屋で買うのが一番だよ。

イシガキダイの皮の湯引き
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釣れた魚のレシピも教えてくれる。


さて、大量に魚を釣って、どうするのか?僕の場合、干物にして冷凍保存するようになりました。

前日に14%の食塩水を10L用意しておく。真鯛クラスの大きさの魚が10匹程処理できます。当日に作ろうと思っても塩はすぐには溶けません。お湯に溶かせば良いけど魚には良くない。あとピチットシートも長期保存には必須。

二枚か三枚に卸したら水洗いして塩水につける。捌く人と洗う人で同時進行し、洗い終わったものから順次塩水にドボンする。一斉に漬けないので、漬け時間は40分から90分とばらつきが出るけど気にしない(多少辛くても美味しいし塩気が足りなければ醤油をかければ良い)。表面の塩水を流したら水気を拭き取ってピチットシートレギュラー(32枚入2000円。16匹分)にくるむ。そのまま真空パックする。この状態で24時間から48時間冷蔵庫で脱水して冷凍庫で保管する。フリーザーで良い状態を保てば2年は美味しく食べられます。干物にしない場合でもピチットシートと真空パックを組み合わせて冷凍すれば全くしもやけを起こさないし、自然解凍してもドリップが出ないのでいつでも食材として料理に使えます。シマアジ・イシダイ・真鯛の干物、どれも市場では簡単に手に入らない。P_20180517_172101_vHDR_On
海王に通ったことで得た最大の知識は魚の扱い。これは日常の料理でずっと役に立っている。色んな魚を捌きたいから行き先が海王から角上に変わってしまったけれども。

さて

海王から帰った日の夜はお刺身で祝杯?
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とんでもない。魚なんて見たくもないw

ケンタッキーだよ
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でもさ、そういうわけにもいかないので当日はアラ汁を作る。ゴミ箱にぽいっとしたくなる頭や中骨の血を歯ブラシで取る。お湯を沸かして塩・化調・生姜・ねぎを入れて煮る。
骨と頭から出てくる旨味と油はとても美味しいです。魚の本体はアラで身はおまけじゃないかと思うくらい濃厚。新鮮だから灰汁も全く出ない。刺身は翌日のほうが柔らかくなって良いかもしれません。
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尻尾付近の身をヒョイって入れると食べる潮汁になります。胸ビレ付近の身だとクドくなってしまう

今回は鯛の蒸し物を作りました。とmこリクエストなので
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いつも鯛が一番釣れて処理に困るんだけど、今回は1匹のみ。貴重品DSC_2553

最新釣果の写真を見てると埼玉県民が多い。海無県民が手軽に安全に海釣りができるのはたしかにここだ。


だからお願い「さいたま海王」を作って!